いよいよ引っ越しまであと1週間を切った。
担当2店舗のうち、1店舗での勤務は終了。メインにしている店舗での勤務も残すところあと3日となった。
時間が経つのは早いなと思っていたが、特に引っ越し日が決まってからのこの数週間のスピードは本当にあっという間に感じる。
新店舗でやるべき事も少しずつ見えてきた中ではあるが、まだ引継ぎが終わっていないので、頭の切り替えは出来ておらず、今後の漠然とした不安が頭の中を駆け巡っている。
引っ越しの準備の大半は済み、休みだった今日は久しぶりの読書をした。
書店で勤務をしているが、そもそも読書はほとんどしない。おそらく社員の中で一番本を読まない自負もある。が、20代の頃は漫画も読んでいたし、社会人になってからは自己啓発本を時折読んでいたが、緑内障の気が出てきた最近は活字を読むのがしんどくて、割引で購入できる従業員の特典も入社してから、数えるほどしか利用していなかった。
そんな中で、新入社員の頃から2年間一緒に働いていた、読書の好きな可愛い部下社員が2週間前に異動していった際に手渡された本を読んでみることにした。
タイトルは「成瀬は天下を取りに行く」。書店員が選んだ本屋大賞にも選ばれた作品だ。
部下社員がどういう意図で、普段読書もしないこの本を差し出してくれたのかはわからないが、内容自体に複雑な要素はなく、200ページ程度の本だったがスムーズに読み切る事が出来た。
ストーリーはいくつかに分割されるが、基本的には主人公の成瀬あかりを中心に物語は進んでいく。
彼女は基本人目を気にせず、大きな野望を抱えながら、その時その時で興味を持ったことに全力で取り組んでいくのだが、前半はどちらかと言うと、そんな彼女の周りにいる人が彼女の事をどう捉えているかが描かれているのだが、最後に彼女自身がどう考えているかが描かれていく。
傍から見ると、彼女の行動・言動は一般的には突飛で理解し難い部分が多いのだが、興味を持ったことに真っすぐ進んでいく彼女に周りの人は巻き込まれ、そして自分には出来ないと思いつつも、どこかで憧れや嫉妬を抱いてしまう、そんな魅力的なキャラクターとなっている。
またやる事は突飛でありながら、かと言って誰かに迷惑をかけるような事は一切していないし、どちらかというと社会的には模範となり得る部分も多い。
最後に彼女視点のエピソードが描かれていくのだが、そこにはごくごく普通の人間臭い感情も描かれていて、最終的には彼女も自分たちと同じ人間なんだ、特別な人ではないんだなと思わせてくれる。
コメディタッチで描かれている部分も多いし、表紙を見た時に40過ぎのおっさんが読むような本かなと期待値が少なかった事もあるが、思いの外、感じる事は多かった。
作者も自分より若い人が書いているのかなと思ったが、ほぼ同世代で、だからこそ共感しうる部分は多かったのかもしれない。
自分も若い頃は、野望と言うほどの事ではないが、とにかく「人がやっていない事をやりたい!」という思いだけは人一倍強かった。
もっと厳密に言うと、周りから「すごいね!」って言われる事を求めていたように思う。
でもいつからか、周りと調和したり、時には迎合する事が当たり前になってきて、自分の中で何か突飛なアイデアが浮かんでも、「周りに理解してもらえないだろうな」と審査をかける前に気持ちを押し殺してしまう事が普通になっている。
歳を重ねた今だからこそ、この主人公のキャラクターにどこかリスペクトの様なものを抱いてしまうのかもしれない。そして勝手ながらこの作者も同じような思いを抱いているのかもしれないと思ってしまう。
ドラマと比べて映像がない分、自分的な解釈や妄想が膨らんでしまう。でもこれが読書の良いところなのかな、としみじみ思ってしまった。
タイムリーと言っていいのか、西武ライオンズの監督休養が発表された本日。
色々と考えてしまった1日でした。


コメント